【コンビニ】コンビニの仕組み ~コンビニオーナーは会社員ではありません~

皆さんはコンビニオーナーのお仕事がどんなものかご存じでしょうか?

「コンビニオーナーってコンビニ会社の社員でしょ?」
「夜勤ワンオペとかブラック労働してそう」
「フランチャイズ?って聞いたことあるな」

こんなイメージではないでしょうか。

コンビニの経営形態を把握している方って実は多くないんじゃないかと思っています。

何を隠そう、私もコンビニオーナーの息子でありながら、社会人になるまで上記のイメージを持っていました(笑)。

今回の記事では、大手コンビニや大手飲食店でよく採用されている『フランチャイズ』というシステムを簡単に説明した後に、私個人のコンビニオーナーとしての本音について記載したいと思います。

読者の皆さまのコンビニへの理解が深まり、店舗を見る目が少し変われば幸いです。

コンビニは個人が経営している

まず結論から書いてしまうと、ほとんどのコンビニは個人が経営しています。

つまりコンビニオーナーは個人事業主になるので、会社員ではありません

基本的には商店街とかにある個人商店と変わらないのですが、その個人が本部(セブンイレブンとかローソンとか)と『フランチャイズ契約』を結んで経営されているのが、コンビニの実態です。

下記の図をご覧ください。

コンビニは小売(業者から商品を仕入れて店舗等で消費者に販売して利益を得るビジネス)という業種になりますが、小売を行うためには様々な業務が発生します。

・店舗を準備する(土地・建物の購入・賃貸、内装、設備)
・従業員を雇う
・商品を仕入れる
・消費者(お客様)に販売する
・在庫、売上、経費管理  …etc

文字にするとあっさりしていますが、これがかなり大変です(;’∀’)

・どこに出店すれば良いのか
・無名の店舗でどうやって従業員を雇うか
・商品を仕入れるルートをどうするか(大手は小さい商店を相手にしない or 割高)
・各種管理にどのようなシステムを導入するか

個人の商店ではこれらを全て自前でやっているんです。すごいですねΣ(・□・;)

一方、コンビニではオーナーがコンビニの本部と『フランチャイズ契約』を結んで、それら小売店経営に必要なノウハウや設備、システム等の支援を受けて経営している状態です。

オーナーは『チャージ』と呼ばれる手数料をコンビニ本部に支払うことで、経営が楽にできるというメリットを享受しているんです。

ちなみに、コンビニの『店長』は『オーナーが店舗運営のために雇った店舗の長』という立ち位置なので、サラリーマンという捉え方ができます。(実際は、店長はオーナーの奥さんが勤めている家族経営の店舗が多いです。)

フランチャイズ契約で感じるメリット

オーナーが享受しているメリットで、私が思う費用対効果が大きいものを一例に挙げます。

適切な立地の選択


 多くのオーナーは土地・建物ごとフランチャイズ企業から御膳立てされます(中には自分の土地を店舗として利用したうえでフランチャイズするオーナーもいます)
 これまでの販売データや立地分析という大手企業ならではの情報を基に選定しますので、大コケする可能性が低い立地で店舗を構えらえます。

◆発注、在庫管理システムの利用
 (ある程度)自動化されていて時短になっています。ゆくゆくはAIなど発達してほぼ自動化できないかなと期待しています。

独自商品の取り扱い


 コンビニで重要なのは、店舗つくり=品揃えです。いつ、どの層に、どんな商品が、どれだけ売れているのか、というビッグデータを持つ本部の商品開発はすごいと、いつも思います。(時々スベリますけどw)
 最近のドラマ『恋あた』でやっていたように、本部の開発部方々が一生懸命に差別化商品を作ってくれています。

決算がめっちゃ楽


 システムで一発で作ってくれるので、決算がめちゃくちゃ楽です。本部がまとめたA4の紙一枚で、税理士さんに投げれば、簡単に決算書のできあがりです。逆に税務知識が付きにくいというデメリットもw

フランチャイズ契約のデメリット

メリットはたくさんですが、もちろんフランチャイズ契約はオーナーにとってデメリットばかりではありません。

簡潔に言うと、リスクが大きいのは基本的にオーナーという点です。

チャージ料は適正?


 チャージ料金は基本問答無用で取られます( ̄▽ ̄;)。売上が下がると人件費等の固定費によって、オーナーの収益が激減しますが、一方で本部側はある程度の収益は確保できるという構図です。
 これは捉え方によっては搾取する側とされる側…適正かどうかはグレーかもですね。

契約期間が長い

 時代の流れが速くなり、5年もすると世の中は様変わりします。(2020年コロナ禍での変化など顕著)
 そんな中、フランチャイズ契約の期間は10年以上が一般的です。10年、15年先の未来なんて読めないいですよね。近隣に競合が乱立するかもしれない、得意客が多かった事業所や大学が閉鎖する、などいくらでも近隣環境は変化しえます。
 店舗小売であるコンビニは、立地を動かすことは簡単ではありません。こういったリスクの影響を大きく受けるのはオーナーなんです。

本部の奴隷となっているオーナーはかわいそう?

一番最初に書いたようなイメージ(コンビニオーナーってブラック労働w)のような事態は、一部店舗では事実あります。(最近話題になった某東大阪のセ〇ンイレ〇ンなど、24時間営業問題もありました)

しかし、そのような事態の一端(もしくは大部分)はオーナー自身にも起因していると思います。(簡単に断ずることはできませんが)

・お客様が買い物をしたいと思う店舗づくりができているか
・従業員が働きたいと思える職場か
・本部が支援したいと思える運営をしているか

基本のキである上記を徹底できていない店舗も実態としてあるのです。

そのような店舗は、売上が上がらない、従業員の待遇が悪い、といった状態で、低収入・人手不足のジリ貧状態になり、オーナーやその家族がその穴埋めのために身を粉にして働くことになるのです。

フランチャイズの契約時点で、オーナーがきちんとリスクを把握していたか、経営開始後に売上を上げるための努力をしてきたのか、自らを省みるべき点も多いと思います。

環境を生かすも殺すも、オーナーの手腕は問われます。

コンビニオーナーよしおの本音

上記のように結構なリスクがオーナーによっている点でいうと不服はありますが、わたし個人的には本部とのフランチャイズ契約は、まっとうな範囲だと感じています。

フランチャイズ店舗として各社のブランドイメージを傷つけるような運営をしない限りは、店舗運営の主導権はオーナーにあります。

どんな商品を販売するのか、どんな人間をどんな待遇で雇うのか、けっこう自由度は高いです。(「おでんを販売せよ」という本部からの連絡(命令w)が来ても、「いやいや、手間・廃棄・売上貢献から考えると割に合わんから、やらない」という判断もできます。)

メリット享受の対価としては、そう悪くないのではないかと思っています。

まとめ

長文の記事なりましたが、要点をまとめます。

・コンビニは個人経営が基本で、フランチャイズというシステム(契約)がある
・オーナーにとってフランチャイズ契約には、メリット・デメリットがある
・活かすも殺すもオーナー次第
・よしお個人としては、フランチャイズ契約は「まっとうな契約」の範囲内
 あとはオーナーのやる気で頑張るべし


・・・・

最後に~
ちょっとしたことだけど~
言いたいことがりま~す(; ・`д・´)

(「な~に~?」)

上記のように、コンビニの前提は個人経営です。
フランチャイズと言えど、店舗運営はオーナーの采配次第なんですね。

なので、オーナーさんによっては、「こんな商品を扱ってほしい」とか「〇日〇時に来るのでこの商品を取り置きしてほしい」とか要望を伝えると、融通を利かせてくれる店舗もあります。(当店はなるべくお声をくみ取り、対応しています)

遠慮せずに、ぜひお店の方と仲良くなって要望を伝えてみてください。

ただ、「他所のお店では〇〇してくれるんだけど」と単なるクレームを言われるのは、非常に困ります。
ぶっちゃけ「知らんがな(;・∀・)」状態。
我々オーナーも人間なので、要望の『伝え方』にはご留意いただけるとありがたいです(笑)。

地域、お客様が違えばお店作りも異なります。
オーナーは自身の店をお客様に最適にフィットするように日々努力しています。

コンビニに対して、機械のようにぜ~んぶに画一的な対応を求めずに、むしろ店ごとの特徴・個性として楽しむくらいの心構えでいてくれると、私は嬉しいです。

以上、一つでも参考になる話があれば幸いです。

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