コンビニをはじめ、小売店は毎日何かしらのキャンペーンを実施しています。
・期間限定○円引き
・今A商品を買うと、来週B商品をプレゼント
・対象商品を2個買うと、景品プレゼント(アイドルのファイルやキャラクターの缶バッチ等)
・某ドラマとタイアップして開発したスイーツ!!
など、様々実施されています。
そういった多くのキャンペーンはどのような理由で実施されているのか、考えてみたことはあるでしょうか。
私は大勢いるコンビニフランチャイズオーナーうちの一人でしかないので、それらのキャンペーンがどのような背景で実施されているのか、詳細は全く分かりません。
ですが、日々小売店の最前線で商品の売れ方に接していると、何となく雰囲気が掴めます。(正確には掴めたような気になるだけ)
端的に申し上げると、メーカー企業と小売企業、さらにはコンテンツ企業といった、各社の事情が重なり、裏側でそれなりの『交渉・調整』を行った結果であると思います。
今回は、日々実施されているキャンペーンについて、私が『勝手に』思うことを記載していきます。
身近にある各キャンペーンを思い浮かべながら、どうぞお読みください。
値引き系販促キャンペーンについて
値引き系のキャンペーンは、定番商品から新商品まで幅広く実施されています。
「今A商品を買うと、来週B商品をプレゼント」というキャンペーンもこの部類に思います。
こういった、定価か値引き・サービスがあるキャンペーン実施の理由は大きく二つあると思います。
ケース① 商品が人気の定番となっておりメーカーの製造単価が下げらている。
ケース② 製造した商品が見込みよりも売れずに、在庫を抱えている。
ケース①はメーカーにとって理想の状態です。
定番商品はある種のブランド価値を持っているとも言い換えられ、流行り廃りに関わらず常に一定数の販売量が見込める商品となります。
こういった商品はメーカー側からすると、
・新規開発に大幅な予算が不要であること
・生産のロット数を大きくできること から、
商品を製造するためにかかる原価(コスト)が低く抑えられやすくなります。
ですので、通常時は丸儲け、キャンペーン時でもボチボチの儲けで、文句なしの状態です。
こういった『強い定番商品』というのは、
ぜひこの売れ筋商品を取り扱いさせてください(;’∀’)
まぁ、いいよ(*‘∀‘)
でも、それなりの数を売ってくれないとね~
(くっ、多少値下げしてでも販売しないと今後の仕入れに影響する・・・!)
という一種の メーカー:強>>小売:弱 の関係を生みます。
メーカーとしては普段は強気で定番商品を卸売りできますし、交渉力(一定数以上の仕入れ)などもできる形になります。
一方で、ケース②のようにメーカーが一定の販売数を見込んで製造した商品がコケて販売不振だった場合、メーカーは大量の在庫を抱えることになり、
この売れ残り商品、取り扱ってくれませんかね(;^_^A
しょうがないですね—( ー`дー´)キリッ
ただ、お値段を少~しばかり協力てもらえますよね?
も、もちろんですm(__)m
という 小売:強>>メーカー:弱 の関係を生みます。
こういった商品の事情ごとにこういった「強い・弱い」の関係があり、メーカー/小売店間の駆け引き・交渉によって、キャンペーンの実施や負担割合に表れていると思います。
ちなみに、ドン・キホーテのような爆安価格で販売がされているのは、そういった売れ残り品の最たる例なのかな、と想像します。(多分メーカーは赤字で在庫処分しています(;^_^A)
※念のため補足しておきますと、実際に両社間にはだいたい商社(三井〇〇とか、伊藤忠××とか)が入ります。もちろん、上記のようなストレートな遣り取りはないと思います。大人ですからね(笑)。
実際は、各社の利益を最大化するために、協力プレーを行っているニュアンスに近いと思います。
タイアップ系キャンペーン
アイドルや漫画・アニメといったコンテンツ系とのタイアップキャンペーンが実施される理由も大きく二つあると思います。
ケース① 小売店側が来店販促のために、コンテンツ元と提携する。
ケース② コンテンツ元が売り出したいものを、小売店側に協力を焚きつける
ケース①は分かりやすいですね。
鬼○の刃が人気だから、おまけを準備したら売上が増える! という感じで、コンテンツ元に提携を是が非でも申し込みたい、 コンテンツ企業:強 >>小売企業(とメーカー企業):弱 の状態です。
逆に人気が出きっていないアイドル(昔のなにわ男子みたいな)等をコンテンツ元が推したいときに、宣伝広告として依頼しているだろうな、と思えるものもあり、
そういう時は小売企業(とメーカー企業):強 >> コンテンツ企業:弱 の状態です。
コンビニオーナーから見える世界
実はコンビニを経営していると、上記のような 小売/メーカー/コンテンツ企業の各社のパワーバランスを雰囲気で感じ取ることができます。
例①
(先々週新発売したA商品が全然売れない状況)→ 本部案内『来週から値引きキャンペーンが開始』
・・・あぁ~、売れ残り在庫を頑張って販売しよう、って感じかな(苦笑)
例②
対象商品(チョコなど)二つを買うと、某人気ヤンキー漫画の特製クリアファイルをプレゼント!!!
→即日配布終了
・・・コンテンツが強いな~、メーカーさん、いいのと提携できたな
例③
一方某アイドルのクリアファイルの特製クリアファイル
→ 全然配布しきれずほぼ在庫
・・・事務所は推したいんだろうな~、まだ実人気が追い付いていないかな。
もちろん、各店舗の特色によって商品やキャンペーンの反響は様々なので、一概には言えないのですが、「一事が万事」という言葉もあるように、そういった現場での肌感覚は割と外れていないような気がします。
まとめ
上述のように、小売店で展開されている各種キャンペーンは、各関係者(小売企業、メーカー企業、コンテンツ元など)の各事情(背景)を基に実施されてい(ると思われ)ます。
最終消費者との接点であるコンビニオーナーという立場だと、各社のパワーバランスが何となく雰囲気が掴めて、割と楽しいです(笑)。
最後に少しコメントを・・・
世の中には様々なキャンペーンが溢れていますが、個人的には、『キャンペーンに関わらず自分のニーズに見合う商品を購入する』ことがベストだと思います。
しかし、『モノを買う』ということは、最終消費者である皆さんのニーズを満たすだけでなく、その消費を通じて小売店や卸売、メーカーの利益に貢献していることにもなります。
自分の好きな商品やブランドは、それを生産販売しているメーカーや小売店が利益を上げてこそ継続して販売され、さらには品質改善・向上がされていきます。
キャンペーンを見かけたときに、そういった『応援したい企業』の裏側を察して、あえてキャンペーンに乗ってあげることは、関係者にとってとても有難い行為です。m(_ _)m
時にはそういった支援的な消費行動があっても良いのではないかと私は考えてます。
今回の記事が、皆様の普段の消費行動を省みるきっかけになれば幸いです。
今後ともよろしくお願いいたします。(^^)
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