こんにちは、よしおです。
前出の記事のように、私は祖父が体調を崩したことをキッカケに、アパート管理を託されることになりました。
当初、不動産相続の話があってから時間はあったものの、急を要する話ではないからと何も行動を起こさずに日々を過ごしていたら、祖父に突然の「もしもな事態」に発展していた可能性もあり、深く反省した次第です(´-ω-`)。
この記事では、私がアパート管理を引き継ぐに当たって、一番初めの真の素人時期に大変だった事、およびそこからの具体的な行動について記載します。
対策の有無によっては、所有している不動産のその後の価値も左右しかねない内容になりますので、不動産をお持ちの方、ご親族の方の参考になればと思います。
困ったこと① 基礎知識の不足…何をすればよいかわからない
まずは不動産経営(管理)を引継ぐ側(私)の問題点です。
そもそも不動産経営と聞いて、私が当時どれだけ内容を把握していたかというと、今の1/10も知識がありませんでした。
大学時代や新卒時代に一人暮らしの経験はあったので、部屋を借りる側としての賃貸仲介の流れは大まかに把握していましたが、大家側(部屋を貸す側)の仕事内容について全く知りませんでした。
・そもそも何をすればよいのか
・誰に話をすればよいのか
・お金の流れ、家賃やコストの相場
何一つ知りませんでした。
今から思うと、よくその状態で「管理を引き受ける」と二つ返事で言えたものだなと、当時の私を空恐ろしく感じます(;・∀・)。
当時を振り返ってまず思うのは、無知って本当に怖いということです。
何も知識がない状態で、いざその当事者になると、本当に何をすればよいのかわかりません。
最低限度の業界知識は絶対に必要と身をもって感じます。
車の運転を例にすると、
別にエアコンやカーナビの使い方を把握していなくても運転自体はできますが、
アクセルやブレーキ、ハンドル操作、道路交通法を知らないで車を運転することは、絶対にできません。
車を運転する人がまずやることは、『免許を取る』ことすなわち『最低限の知識と技能の習得』です。
当時の私は基礎知識なく不動産経営を行ないつつあった状態で、いわば無免許運転状態でした。
非常に危険極まりない(;’∀’)。
当たり前の事ですが、何事にも基礎知識は1丁目1番地で大切です。
この根幹部分がなかったことが、最も困ったことでした。
困ったこと② あるべき資料、情報がない
また、引き継がせる側(祖父)にも問題点がありました。
それは、いろんな資料、情報が足りないということでした。
祖父はそれまで不動産管理を肌感覚で実施していたようなもので、全然資料がまとまっていませんでした。(数年分の決算書類のみ)
これは引き継ぐ側としては、非常に困ったものでした。
物件の状態やこれまでの経緯、関係者の情報など、全て祖父の頭の中には存在するのですが、当然私が見られるものではありません(;^ω^)。
とりあえず、祖父の持っている情報を共有するだけでも相当な時間がかかり、本当に大変でした。
私の感覚としては、不動産を引き継がせる側も最低限、下記の情報だけは簡単に見られる資料として準備しておいてほしいところです。
・物件情報(竣工図、間取り、工事履歴、加入中の保険などがわかる書類、証書)
・レントロール(今現在、どの部屋をいくらで貸しているか)
・賃貸契約書(各部屋の借主の情報)
・これまで取引のある関係者(不動産仲介、工事業者、税理士など)
どんな仕事でもそうですが、自分の持っている仕事を引継がせるときには、引継ぐ相手の事を思って、わかりやすい資料の準備を意識するとよいと思います。
【参考】資料不足は物件価値の棄損につながる
工事履歴に関して、現在も困っていることが、耐震工事の実施履歴です。
震災後に法改正があったことも踏まえて、耐震補強工事を実施したそうで「震度7の地震でも大丈夫」だそうですが、それを証明する書類がありません。
耐震補強工事を実施した業者は現在廃業してしまったらしく、確認しようと思うと、自分でお金を出して、調査会社に依頼するしかありません。(結局、費用を回収するのに時間がかかるのでやってません)
本当は物件のアピールポイントとして、「古い建物ですが耐震補強済みで問題ありません」と謳いたいところですが、証書がないのでどうしようもないかな、という状態です・・・。
不動産業者さんのお話によると、こういった書類の不足は、実際の売買価格にも影響するそうです。
当時の私はどのように行動したか
困りごとは上記以外にもたくさんあったのですが、じっとしていても何も解決するものではありませんので、当時の私は何かと行動していました。
その内容を紹介いたします。
祖父と可能な限り会話する
やはりまずは一番の当事者である祖父と可能な限り会話して、祖父だけが持っている情報を吸い上げることでした。
・物件の情報(いつ、どんな工事を実施したのか、など可能な限り)
・入居者情報(入居年数、家賃、属性、性格など)
・関係者(不動産仲介、内装工事、電気工事、剪定工事、税理士、銀行など)
・祖父の経験的なノウハウ(自主管理、仲介依頼のテクニックなど)
・現在の借入金、キャッシュフロー
どれも重要ではありますが、一番自分に安心感を与えてくれた情報は
・借入金はないこと
・キャッシュフローはプラスであること(少ないけど)
でした。
古い物件ではありましたが、下手をやらなければ大ケガはしないということで、一安心でした。
祖父が復調してしっかりとコミュニケーションの時間が取れたことは、本当に運が良かったと思います。
無料セミナーに参加しまくる
基礎知識の全くなかった私は『不動産投資』と名の付くセミナーに出席しまくりました。
当時のスケジュールを数えると2か月で10個以上、コロナ前だったので、大阪で対面実施の形式でした。
有料のものはなく、WebやSNSで出てきた無料セミナーばかりです。
主催者はハウスメーカー、不動産仲介業者、銀行、投資セミナー会社など様々でした。
数多くのセミナーに出席しましたが、その内容はというとピンキリでした。
◆役に立ったもの
・超実務的な内容を具体例を基に解説してくれる不動産業者のセミナー
・相続税の知識不動産投資との関係を解説してくれる銀行主催の税理士のセミナー
◆役に立たなかったもの
・平気でマイナスキャッシュフローの不動産投資例を提示してくる不動産業者のセミナー
(首都圏郊外の新築区分マンション・・・今からすると地雷臭しかないです。
不動産投資業界の闇の一端を垣間見たという点では役に立ったかもw)
多くのセミナー参加を通じて感じたのは、
・健美家などの紹介サイトのセミナーは比較的有益なものが多い。(初心者でも概略を掴めた)
・SNS等で業者自らがPRしているセミナーは地雷が多い。
・無料セミナーは基本利害関係者が絡むため、受講側としては話半分程度の参考情報くらいが良い。
ということです。
時間はかかりましたが、業界の基礎知識の把握だけでなく、不動産投資に関わる業種の人々の雰囲気を感じられたという点では、非常に実りのある取り組みだったと思います。
ちなみに、「相続で不動産を引き継ぐ側の人」向けのセミナーを見つけることはできませんでした。
(不動産を所有している人、これから始めたい人向けがメインのセミナーばかり)
パイが小さいのか、そもそもニーズがないのかは分かりませんが、私はめっちゃほしかったです(´;ω;`)。
ネット・書籍で勉強する
セミナーで大枠を掴んだ後に、わからなかった部分をネットで調べて知識を補完しました。
その過程で初めてリベ大YouTubeを見つけました。(2019年1月に初めて拝見したので、割とリベ大の初期の方?)
まさに『渡りに船』、両学長に感謝です(笑)。
怪しいかどうかもわからないセミナーに行くよりYouTubeで勉強した方がよいと、今なら自信をもって言えますね。
動画で勧められていた書籍等も数冊読んで、おおむね基礎知識としては60~70点くらいのレベルには達したと思います。
関係者へ挨拶してコネクション構築
基礎知識について勉強した後には、実際の現場で『人と会う』ことをメインに行動しました。
祖父と取引のあった業者を中心に挨拶から入り、これまでの経緯や取引の流れ、物件の状態や市場を踏まえた今後の方向性等について、相談ベースで会話していきました。
あまりビジネスの場では好ましくありませんが、祖父との関係もあるため、私は『初心者であること』をオープンにして会話しました。
一方で、真剣に勉強する(既に少しはしてきた)という意欲は見せつけ、
「将来に渡って私と取引を継続するのであれば、いま私をカモにしないでね」
という態度を意識したつもりです。
まだ取引の件数は少なく、信頼関係も築き切れてはいない状態ですが、悪くない関係を構築しつつあると思っています。
まとめ
今回は私の体験を例に、不動産の相続に当たって困ったこと、そこからの行動を記載しました。
◆困ったこと
・基礎知識がない(私:引き継ぐ側の問題)
・必要資料がまとまっていない(祖父:引き継がせる側の問題)
◆実際の行動
・祖父と会話
・セミナー参加、Web・書籍で勉強
・関係者とのコネクション構築
不動産をお持ちの方がいらっしゃったら、常に「相続」を念頭に置いて準備されておくことをお勧めします。
駆け出し大家(仮)の自分ですが、これからも日々勉強していきます。
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